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キャッシング用語

いつか満天の星空の下で

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幻の君はボクの恋人
寂しい夜に現れる

幻の君はボクの憧れ
少年のころから慕い続けた

優しい瞳
美しい髪

君が子守唄を歌う夜
ボクは不思議な夢を見た

眠りの森を彷徨いながら
手足が透き通ってゆく夢を

ボクも幻だったのか・・・

幻の君と創る世界も
こうして思うこのボクも
儚いばかりのこの世の幻



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「刀」


今でも時々思い出すことがある
わたしを見つけて
どうしても話がしたいと寄ってきた
見知らぬ女性のこと


静かな口調で語り始めた話は
とても心地よいものではなく
わたしの前世は武士で人々を切ったから
因果応報でお腹を切ることになるだろうという
不気味な予言だった


数年後、彼女の言葉通りに
二度もお腹を切ることになるとは
思いもしなかった
通常は縦に切る手術なのに
メスは横へと入れられた
珍しい切り方だと医師は自慢していたけれど
わたしは予言を思い出して震えた


まるで切腹のような手術は
背中から入れた麻酔が効かなくなり
何日も痛みと闘うことになったけれど
その激しさは生まれる前の世界で
わたしが人びとに
与えた痛みだったのかもしれない


今でも、刀を目も前にすると
動けなくなるほど惹き込まれるのは
きっと遠い記憶が蘇るためだろう


生まれる前の遥かな記憶
そこに存在する刀が
眠りに就くことはないのだ



(野の花)
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ボクとお月様

『ボクとお月様』

ボクは独りぼっち
満月の夜に
男の子に抱き上げられて
知らない街へ連れられて来たんだ

お父さんも お母さんも
お兄ちゃんもいたのに
ボクは違う家に住むことになったんだ

でもね
最初の頃はくすぐったいほど撫でられて
それなりに幸せだったんだよ
ある日、美味しそうなご馳走に手を出すまではね

だって
ボクは知らなかったんだもの

テーブルの上にあるものが
ご主人様たちだけの特別なご馳走で
床に置いたアルミのお皿のミルクしか
舐めてはいけないってこと

だから
ひょいって這い上がってみたんだ
いつだって
ボクのことを可愛いがってくれたから
優しく食べさせてくれるだろうって思っていたさ

それなのに 
凄いけんまくでご主人様のママって人が怒り出して
ボクは首根っこを掴まれて
一瞬に追い出されてしまった

小さなご主人様は泣いてくれたけど
ボクは許してはもらえなかった
クーンクーンって甘えても
誰も扉を開けてくれなかった

ドラ猫って言うんだね

知らなかったよ
ボクが
孤独なドラ猫になっちゃうなんて

ひとりぼっちなんてイヤだよ

お父さん お母さん
お兄ちゃん
何処にいるの?

あの日と同じ満月が
ぽっかりと空に浮かんで
ボクを見つめている

優しいのかな
お月様はボクを
好きになってくれるかな

「お月様
 お月様
 ボクの友達になってください」


夜空には
見事なほどに丸い月が
頷くように微笑んでいた






2005/
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