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いつか満天の星空の下で

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色彩の森

その森は
あの人の描く絵の中にあった

わたしは気づかずに
足を踏み入れてしまい
哀しみの涙で
絵の具が溶け出した

足元から染みてくる
森の色彩の中で
空を見上げれば
空もまた描かれた蒼い空だった

いつからだろう
わたしの見る景色は
あの人の描く絵の中にあった

躊躇うこともなく
その世界に魅せられた心は
まだ乾かぬ絵の具の中に
すべてを投げ入れていた

駆ごと
あの人の好む色に
染まってしまえ

色彩の森に時を忘れたまま
次第に手足は
深い緑になってゆく

髪の先が染まるほど
日毎に描き加えられてゆく筆

あの人の操る筆先が
駆の上を通り過ぎないかと
そればかりを願った日々

けれど
やがて絵筆は止まり
わたしは額縁に入れられていた

あの人は見るだろうか
この絵を
まだ見るだろうか

わたしに気づく日は
あるのだろうか



:*☆*:;;;:*☆**☆*:;;;:*☆**☆*:;;;:*☆*
お読みいただきましてありがとうございます。

「ふしぎの森」の前編から
ブログで公開する詩を一部入れ替えました。

:*☆*:;;;:*☆**☆*:;;;:*☆**☆*:;;;:*☆*
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翡翠の森

『翡翠の森』

詩/花すみれ



遥かかなたに霞む街並み
いつからだろう
わたしは翼を持ち
喧騒の中から抜け出していた


初めて飛ぶ空はどこまでも青く広がり
何もかも忘れ夢中で翔け巡っていた
雲の隙間を縫うように
高く高く
遠くもっと遠くまで飛ぶんだ


気がつけば
わたしは天空のどこかに紛れ込み
周りは一面翡翠に覆われていた
優しき日々が滲んで見える
愛しくて懐かしい故郷の地よ
お前はなんて遠いのだろう


あゝ わたしを待つ人もいたというのに
今は辿り着いたこの森から
抜け出す術もない


翠の森よ
冷たく美しい翡翠の森よ
わたしの涙で溶けて流れて
優しい空の雨になれ


せめて涙で還りたいのだ
心の欠片を雫に溶かして
地上に翡翠の雨が降る
深く深く染み込んでゆけ
愛しき想いよ染み込んでゆけ


いつかこの身が枯れはてて
翡翠の森の石になるまで



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鳥になりたかった

『鳥になりたかった』


鳥になりたかったの
どこまでも続く
遥かな空を抱きしめて

あなたに繋がる広大な空を
風と一緒に翔けたかった

虹のかかる丘
夢を歌った日々
懐かしき想い出が風に舞う

翼をはためかせて
小さな瞳でもまっすぐに前を見て
たどり着く日を空に描きながら

鳥になりたかったの
しがらみのない自由な世界を
優しい歌声を辿りながら
空を翔ける鳥に

鳥になりたかったの
白い翼の鳥に

あなただけを見つめる
小さくて目立たない鳥に

だけど誰よりも
優しい歌声を届けられる
鳥になりたかった



(「蒼き翼のあなたへ」2005)
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