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いつか満天の星空の下で

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森の奏でる幻想曲

「森の奏でる幻想曲」


聴こえてくる
微かだが
確かに心が震え始める

次第に充満する懐かしき響き
あれは
幼きころに迷い込んだ
不思議の森の奏でる曲に違いない

わたしを包み込む
姿無きヴェールよ
指先に感じる光は森の祈りか

満月の夜
木々が風に歌うとき
空に向かって奏でられるという
翠の幻想曲

あゝ わが心の奥に眠る真の魂よ
目覚めのときが来たようだ
月の灯りに導かれ
懐かしき森へ還ろう

心の耳を夜の空に傾けて
風の歌を聴きながら
ただ 
愛を見つめ続けたあの森へ


(ふしぎの森Ⅱ)
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帰還(ふしぎの森へ)

「帰還」


ふたたび 森の入り口に立つ
いつか過ごした翠のときよ
遠く囀る小鳥たちの歌と共に
今 ここに蘇れ

迎える風に誘われて
ふしぎの森へ還る小径に
燦々と降り注ぐ木漏れ日

髪をほどき素足に戻ろう
薄きヴェールを掲げ
風とともに歌えば
ときは廻り始める

包み込んでおくれ
懐かしき森よ
過去も未来も越えて
永久(とこしえ)に


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夜空の海

夜空の海は寂しくて
静かな風が身に沁みる
小さなわたしは泡ぶくで
はじけて消えて
蒼の中


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秋の雪

色づく木の葉が
散り始めてもいないのに
季節を待てずに雪が降る

陽の隠れた空は
人びとの嘆きの所為
それとも
怠惰な雲の悪戯

はらはら舞うのは
雪ですか
それとも昇華されずに
散った花びら

美しく白い雪が舞う
風に踊りながら
雪が舞う

空のこぼした溜息に似て
静かな静かな雪が舞う




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雪の幻想

「雪の幻想」


貴女は見ているかしら?
珍しくこの街にも雪が積もったの
貴女の好きだった銀色の世界を
なんだかわたしは独り占めしているみたいね

まだ覚えているかしら?
大地に積もった真っ白な雪の上
ふざけ合って 絡み合って 縺れ合って
息を切らし戯れた日々のこと 

いつか話していた
子供の頃の幻想のように
雪の絨毯に埋もれて
眠りに就いてみたいと言った言葉通りに
貴女だけ

しんしんと
心に降り積もる雪
しんしんと
時を埋め尽くす

いつかの優しい面影を連れて
真っ白な大地にぽつんと佇み
見上げるばかりの空は

空は

眠るような静けさの中





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「刀」


今でも時々思い出すことがある
わたしを見つけて
どうしても話がしたいと寄ってきた
見知らぬ女性のこと


静かな口調で語り始めた話は
とても心地よいものではなく
わたしの前世は武士で人々を切ったから
因果応報でお腹を切ることになるだろうという
不気味な予言だった


数年後、彼女の言葉通りに
二度もお腹を切ることになるとは
思いもしなかった
通常は縦に切る手術なのに
メスは横へと入れられた
珍しい切り方だと医師は自慢していたけれど
わたしは予言を思い出して震えた


まるで切腹のような手術は
背中から入れた麻酔が効かなくなり
何日も痛みと闘うことになったけれど
その激しさは生まれる前の世界で
わたしが人びとに
与えた痛みだったのかもしれない


今でも、刀を目も前にすると
動けなくなるほど惹き込まれるのは
きっと遠い記憶が蘇るためだろう


生まれる前の遥かな記憶
そこに存在する刀が
眠りに就くことはないのだ



(野の花)
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草笛

『草笛』

どこからだろう
懐かしく響く草笛の音色
気がつけば石畳の町を駈け抜け
わたしの中に目覚めた少女は
白いワンピースの裾を揺らしていた

陽の温もりが残る帽子を被り
少年になったあなたの
見つめる月を瞳に捕らえ
青い恋を綴りかけては
飛ばしたページをまためくる

「あなたの名前を記しに来たの
初めての恋を永遠にするために」

風は愛しい草笛の音を
やさしい魔法で包み込む

草の匂いを身にまとうあなたが
手をさしのべて微笑んでいる
道に迷う少女のわたしに
ここまでおいでと手招いている

夢の続きを見ましょうか
高く昇りつめた白い月が
夜を呑みこんで眠るから

明けることのない幻の夜に
あなたは草笛を吹き続け
わたしを少女に変えてゆく

恋に戸惑う切なさが
やさしい音色に揺れている



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彼岸花

『彼岸花』


「その花には毒があるのよ」
細く朱い花びらに触れたわたしに
平然と雑草をむしりながら貴女は呟いた

「あゝ 心配しなくても大丈夫
 花びらに触ったくらいでは どうってことないから」

けれど 覚えている?
その夜
熱を出して寝込んでしまったわたしのこと

花のせいではなかったけれど
きっと、毒を持つものに触れてしまったという
恐怖の心が体を蝕んだのね

手招く細い花びらは
なんて情けないやつなのだと
退いたわたしのことをを嘲笑ったかしら
庭の片隅に朱く妖しく咲きながら
すまし顔で揺れていたわね

昨日、同じ花を山の小道で見かけたの
緑の草に囲まれた中に
妖しく微笑んでいる朱い花
こちらへおいでと手招きを繰り返していた

もしも 
生い茂る草の中に足を踏み込んで
花の妖気に包まれてしまったなら
瞬間に時を遡っでいたでしょうね

貴女と過ごしたやさしい思い出の中に
きっと戻ってしまっていたわ

そして
背中に聞こえる
「その花には 毒があるのよ」という声に
涙を止めることなどできなかったでしょうね


美しく妖しい彼岸花を
石の花瓶に挿しましょう

秋の空に映えるよう
鮮やかに朱いその花を




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ボクとお月様

『ボクとお月様』

ボクは独りぼっち
満月の夜に
男の子に抱き上げられて
知らない街へ連れられて来たんだ

お父さんも お母さんも
お兄ちゃんもいたのに
ボクは違う家に住むことになったんだ

でもね
最初の頃はくすぐったいほど撫でられて
それなりに幸せだったんだよ
ある日、美味しそうなご馳走に手を出すまではね

だって
ボクは知らなかったんだもの

テーブルの上にあるものが
ご主人様たちだけの特別なご馳走で
床に置いたアルミのお皿のミルクしか
舐めてはいけないってこと

だから
ひょいって這い上がってみたんだ
いつだって
ボクのことを可愛いがってくれたから
優しく食べさせてくれるだろうって思っていたさ

それなのに 
凄いけんまくでご主人様のママって人が怒り出して
ボクは首根っこを掴まれて
一瞬に追い出されてしまった

小さなご主人様は泣いてくれたけど
ボクは許してはもらえなかった
クーンクーンって甘えても
誰も扉を開けてくれなかった

ドラ猫って言うんだね

知らなかったよ
ボクが
孤独なドラ猫になっちゃうなんて

ひとりぼっちなんてイヤだよ

お父さん お母さん
お兄ちゃん
何処にいるの?

あの日と同じ満月が
ぽっかりと空に浮かんで
ボクを見つめている

優しいのかな
お月様はボクを
好きになってくれるかな

「お月様
 お月様
 ボクの友達になってください」


夜空には
見事なほどに丸い月が
頷くように微笑んでいた






2005/
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