キャッシング用語

いつか満天の星空の下で

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記憶の雨

静かに降りてくる
それは過ぎ去ったときの音
すでに何処にもないはずなのに
心の中の映写機が
空に映しだす幻想

雑草の拍手喝さい
干乾びた土の歓喜
想い出は小さな歴史となって
気まぐれに上映される

静かに静かに降る雨は
すでに枯れ果てた遠い記憶を
やさしい色に変え連れてくる



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2006.12.10の詩からお届けしています。

空を眺めるのが好きです。
心の中を映してくれるから。
ときどき 時を遡り
想い出を運んでくれるから。
そして寂しいときには
大切なひとの笑顔を映してくれるから。

雨の降る日の空も好きです。
更に切なさを運んでくるから。
やさしいやさしい記憶とともに
心にそっと沁み込んでくるから。

















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月の灯り

 
 そして
 眠りに就くあなたを
 わたしは今日も眺めていた

 この灯りは届くのだろうか
 あなたは
 窓辺から顔を見せることもなく
 ひとり項垂れていた

 風はあなたの髪を
 撫でることが出来るけれど
 星はあなたに
 行く先を指し示すこともできるけれど
 わたしはあなたに
 何ができるというのだろう

 白々と夜が明けゆくまで
 眠るあなたの横顔を
 ただ見つめるばかり

 夜空の上から
 そっとそっと

 優しい夢を見られるように
 眩しい目覚めが訪れるように
 心で子守唄を歌いながら

 

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2006.05.30の詩からお届けしています。
月の視点からの詩をいくつか書きましたが
その中のひとつです。

昨日は満月でした。
わたしは月の不思議な力をどこかで信じているので
満月のときにペットボトルに水を入れて
ベランダに出しておくことがあります。

満月の力をいっぱい写しとった水を飲むと
精神的な安定が得られたり
体調が整うことがあるそうなのです。

何となく美味しく感じられるのは気のせいなのかもしれませんが
思いようで、ただのお水が貴重な満月水になります。

昨夜は時間がとれずにできませんでしたが
次の満月のときには、またやってみたいと思います。






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遠い日の想い出

西から射し込む眩しい光を
誰もが嫌っていたころ
色硝子の破片を窓に貼り付けて
わたしはもざいくを作って遊んだ

道を行く人々は不思議がり
何もないはずの路上で立ち止まる
目立たなかった小さな家の窓に
繰り広げられた悪戯

とりわけ絵を描くことも上手くないわたしは
思いつくままに硝子の貼り絵を楽しみ
夕暮れの光と戯れていた

きらきらと微笑む光は
指先を仄かに染めて
やがて温もりに変わる

遠い日の窓辺には
今も想い出が
やさしい光を放ち微笑んでいる



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あのころの宝物


色硝子の破片
川原で拾った石

散り際の花の押し花
葉っぱの繊細な栞

あのころ

心にたくさんの幸せを運んでくれたのは
どこにでも落ちているような
何気ないものたちだった




(2007.01.07記)

当時はつぶやきとして書いていたものですが
読み返すと詩・・・っぽいですよね。
なので今回は「硝子の林檎」に入れました。
「硝子の林檎」は切なく懐かしいイメージの詩を集めています。
幼いころの想い出や少女の頃の初恋の詩は
硝子の林檎の中で微笑を浮かべ
ときどきわたしに手招きをするのです。



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月の踊り子


指先に捉えた光と共に
月夜に輝く君は踊り子
藍色の空には何が見えるの
古びた舞台に重なる記憶が
今宵もひとつ増えてゆく

躯(からだ)に傷を抱えても
振りまく笑顔で踊り続ける
瞳の先に描いた夢は
不安な気持ちを掻き消すんだね
想い出は巡る走馬灯
爪先立ちにときが流れる

言葉にできないやるせなささえ
見えない包帯でくるくる巻いて
笑顔をおくり続ける踊り子
静かに見つめる夜空の月よ
切なき祈りを叶えておくれ

可憐に隠された傷痕も
華やかな曲に秘められた想いも
光りのリボンに結ばれて咲く
誰も知らない心の奥に
月の明かりが微笑んでいる

指先に捕らえた光と共に
月夜に輝く君は踊り子
藍色の空には何が見えるの
愛しき舞台に重なる想い出
今宵もひとつ増えてゆく




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2006.11.12に紡いだ詩を少し手直ししています。
ここでの「傷」は、表面的なものではなくて
躯の病いや痛みのことを現しています。
この詩にはモデルがいます。
実際には屋内ステージですが
イメージが広がってこのような感じになりました。
ただ、うちに流れる心の部分は
詩に紡いだままです。

誰に気がつかれなくてもいい。
ただ 月に祈りが届いてほしい。
弱音を吐かずに生き抜く姿を
遠くからそっと応援することしかできない
小さなわたしではありますが。



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