キャッシング用語

いつか満天の星空の下で

     copyright ©2003 -2017いつか満天の星空の下で all rights reserved

真夜中の舗道

遠く聴こえる時の滴り
捉えどころもなく響く

真夜中の舗道

明かりの消えた窓辺には
眠りに就いた人々の
記憶の欠片が手を振っている

明日へ向かってゆくんだね
みんな みんな 夢の中
おやすみなさいと微笑んで


寝静まった街を行く
わたしもときを踏みしめている
明日へ向かう細道に
時の滴る音がする








+++++++

いつのころだったか
眠れない日々が続いていたころ
真夜中の寝静まった舗道を
ひとり歩くのが好きでした。

今思うと、それはとても危険なことですが
昼間とは まるで違う街の様子は
あのころのわたしにとって
やさしいほどに幻想的だったのです。
 
息を潜めているはずのものたちの
隠し切れない鼓動が伝わってきて
こころを包んでくれたのです。

木々の葉のざわめきも
夜空に映える白い月も
遠く煌く星たちも
静かに語りかけてくるようでした。

そう

真夜中の舗道には
時の滴る音でさえ
鳴り響いていたのです。





(「真夜中の散歩道」より/花すみれ) 



別窓 | 真夜中の散歩道 | ∧top | under∨

秋風

わたしの冷えた肩先に
ひとやすみする秋風よ

話しかけようと振り向いたのに
おまえは 
とうに立ち去ったあと

くるくると
落ち葉を拾っては
透明の身に纏いつけ

いつかの季節を追いかけながら
鱗雲の下 
駆け抜けてゆく



別窓 | 旅の途上 | ∧top | under∨

月の華

藍色の空に
ほの白く咲く月の華
今宵
あの人の窓辺にも
そっと姿を映しておくれ

孤独な夜に
微笑むように



別窓 | 月の夢(月の幻想詩) | ∧top | under∨

氷の華

「氷の華」


想い出は
色褪せることを知らず
いつか鍵の開けられる日を
息を潜めて待っている

暗闇の中で
姿を変えることもなく
凍りついたまま

やがて
ときの扉が開かれて
心によみがえる日を夢に見て

咲きたくて

もう一度 咲きたくて


別窓 | 硝子の林檎 | ∧top | under∨
| いつか満天の星空の下で |