キャッシング用語

いつか満天の星空の下で

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耳を澄ましましょう

耳を澄ましましょう
あなたの声が
聴こえてくるから

風になり
木々を揺らし

小さな心に
呼びかけるから


耳を澄ましましょう
安らぎの夢に
包まれるから

広い空に
流れる夕風

明日への夢を
つれてくるから



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流れ

流れるときを
流れのままに

迷うことなく
深き想いに
みずから流れてわが道をゆく







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林檎の風

それが永遠の眠りになるとは
誰もが思わなかった
唐突に林檎が食べたいと
言い出した彼女には
消灯の時刻が訪れていた

眠りに就く前に
決まって何かをねだるのは
もしかしたら
明日は目覚めないかもしれないという
そんな不安があったのかもしれない

その前は
アイスクリームだった
だから病院の売店で
アイスクリームを買って行ったのだ

いつものことだから
いつものように
明日買ってくるねと
知らずに振った最後の手

微笑みを浮かべて
白い手を振り返しながら
「おやすみ」と呟いた彼女は
あれから夢の中で
林檎を食べていたのだろうか

ごめんね
剥いてあげられなくて

供えられた林檎は
気休めでしかないようで
戻らない時間は
まるで
胸の中にぽっかりと開いた
その形の穴のようだ

風が通り抜けてゆく

今日も林檎の香りを乗せて
わたしの心を
甘酸っぱくさせながら

静かに通り抜けてゆく







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月の眼差し

なぜおまえは微笑み続けるのだ
狂おしいほど過酷な運命に耐えながら
わたしを見上げて
今宵も小さな窓辺から

もういいんだよ
隠し続けた涙を見せても
とうに夜も更けたこと
誰も気づきはしないから

ここにいるのは
空に浮かぶわたしだけ
何も懼れることはない

心のままの姿を
晒してしまって構わない

月光でおまえを包み
夜明けと共に
孤独な涙を浚(さら)ってゆこう

わたしの前で
強がることはない

この夜は
おまえの揺りかご

幼子に戻り
心委ねて眠るがいい

瞼をとじて
やすらかに


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ホタル雪

『ホタル雪』


淡きホタルの灯のように
追いかけてみれば
消えてゆく

夏がゆき
秋がゆき

空から舞い散る
白き灯りは
いつかの
ホタルのいのちだろうか

微笑み浮かべた想い出が
悴んだ手のひらに
降りるよう

そっと
やさしく降りるよう

雪は舞う






「硝子のりんご」/花すみれ
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