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いつか満天の星空の下で

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林檎の風

それが永遠の眠りになるとは
誰もが思わなかった
唐突に林檎が食べたいと
言い出した彼女には
消灯の時刻が訪れていた

眠りに就く前に
決まって何かをねだるのは
もしかしたら
明日は目覚めないかもしれないという
そんな不安があったのかもしれない

その前は
アイスクリームだった
だから病院の売店で
アイスクリームを買って行ったのだ

いつものことだから
いつものように
明日買ってくるねと
知らずに振った最後の手

微笑みを浮かべて
白い手を振り返しながら
「おやすみ」と呟いた彼女は
あれから夢の中で
林檎を食べていたのだろうか

ごめんね
剥いてあげられなくて

供えられた林檎は
気休めでしかないようで
戻らない時間は
まるで
胸の中にぽっかりと開いた
その形の穴のようだ

風が通り抜けてゆく

今日も林檎の香りを乗せて
わたしの心を
甘酸っぱくさせながら

静かに通り抜けてゆく







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